
ニュースで取り上げられる機会も増えたカードローンですが、実際の利用した人はそれほど多くなく、職業や収入によって借り入れにどのような違いが出るかまではあまり知られていません。
今回は、日本の就労者の大多数を占めるサラリーマンの、カードローンの利用実態を見てみましょう。
労働者のボリュームゾーンを占めるサラリーマン
「サラリーマン」とは、日本での正規雇用会社員を指す和製英語であり、民間企業に勤める役職者や医師・弁護士などの専門職を除いた給与所得者を指します。
一般的には事務職(ホワイトカラー)の職務に就いている男性に対して使われる言葉であり、女性の場合には別に「オフィスレディ(OL)」という和製英語が充てられます。
減少傾向が続くサラリーマンの平均年収
グローバルに展開する大企業から地域に密着した中小企業まで、数多くの会社がある日本では、労働者の大部分をサラリーマンが占めています。
そのため、サラリーマンの平均年収がそのまま日本の労働者の平均年収とも言えます。
国税庁が調査・発表している「民間給与実態統計調査」から、直近5年分の平均年収の推移を見てみましょう。
- 2015年(平成27年)…420万円
- 2014年(平成26年)…415万円
- 2013年(平成25年)…414万円
- 2012年(平成24年)…408万円
- 2011年(平成23年)…409万円
このように、東日本大震災が起こった2011年(平成23年)を境に、サラリーマンの平均年収は右肩上がりです。
短期的には右肩上がりに見えるサラリーマンの平均年収ですが、より長い期間で見ると、はっきりと減少傾向が続いています。
1999年(平成11年)と2011年(平成23年)の全体の平均年収を比較してみると、
- 1999年(平成11年)…給与所得者数4498万3789人×平均年収461万円=207兆3752億6729万円
- 2011年(平成23年)…給与所得者数4565万7213人×平均年収409万円=186兆7380億117万円
となり、わずか10年で20兆6372億円あまりが労働者から企業に移転しています。
平均年収の現象の背景には、バブル崩壊後の不景気や正規雇用から非正規雇用への転換など、企業経営の重い負担となる人件費を抑制する傾向が続いていることが影響していると考えられます。
サラリーマンとカードローンの関係とは
このように収入の長期減少傾向が続いていることから、サラリーマンは給与以外にさまざまな収入源を求めることを余儀なくされています。
その多くは副業や資産運用など、長期的により大きな収入が期待できる手段ですが、短期的な不足を穴埋めするために利用されているのが「カードローン」です。
カードローン無担保・無保証人でまとまった金額を借り入れできる無担保ローンであり、安定・継続した収入がある一定の年齢の人を対象としています。
カードローンの借り入れに有利なサラリーマン
配偶者の収入に左右される専業主婦(夫)や時間給・日給制で契約が不安定になりがちなパート・アルバイトと比べて、サラリーマンは安定した職業であり、カードローン利用のハードルがもっとも低いと言えます。
実際に金融庁が実施した「貸金業利用者に関する調査・研究<調査結果>」では、カードローンの利用経験ありと回答したのがもっとも多かったのは、サラリーマンであることが明らかになっています。
主な目的は生活費の補てん
さまざまな職業の中でもカードローン利用経験者が多いサラリーマンですが、どのような目的での借り入れが多いのでしょうか。
「貸金業利用者に関する調査・研究<調査結果>」から再度引用すると、サラリーマンのカードローンの利用目的としてもっとも多かったのが生活費の補てんであり、利用経験者の約3割がこの目的で利用したと回答しています。
手軽に申し込み・借り入れできて便利に使える分、カードローンは目的別ローンとは異なる使われ方をするのが一般的なようです。
おわりに
日本の労働者の多くを占めるサラリーマンは、収入の長期低迷傾向が続く中で、給与収入以外の収入源を開拓することが求められつつあります。
長い目で見れば副業や資産運用などがメリット・デメリットともにバランスが取れていますが、短期的にまとまったお金が必要なときにはカードローンは有力な選択肢と言えます。