
これまでの終身雇用・年功序列が崩れつつあることから、これまでの会社勤めを見直して副業や独立を真剣に検討する人が増えています。
そのような働きかたの一つとして注目を集めているのが、「自営業」や「個人事業主」と呼ばれる働きかたです。
会社にとらわれない働き方として注目を集めている自営業・個人事業主ですが、このような働き方はカードローンの申し込み・審査や借り入れにどのように影響するのでしょうか。その影響と、自営業・個人事業主がカードローンに申し込みをするときのポイントを見てみましょう。
会社との雇用以外の働きかたを表す「自営業・個人事業主」
そもそも自営業・個人事業主とは、どのような働き方なのでしょうか。一言で言えば、株式会社などの法人を設立、独自に事業をおこなう働き方のことを言います。
自営業・個人事業主のほとんどはごく小規模な事業であり、経営規模を見ると事業主個人やその家族、ごく少数の従業員を抱える経営が大多数を占めますが、中にはこれよりも大規模な企業として経営するケースもあります。
いわゆる給与所得者(サラリーマン)は雇用契約を結んでいるため、自営業・個人事業主として扱われませんが、業務契約などの雇用契約以外の契約を結んでいて、個人や小規模な企業である場合は自営業・個人事業主として扱われます。
自営業・個人事業主はカードローン利用に不利?
従来の雇用関係にとらわれない働き方である自営業・個人事業主は、生活の自由度は高いものの、収入面では給与所得者と比べると不利であることが否めません。そのため、急場の資金繰りのためにカードローンに頼る機会が多くなります。
しかし、仕事が途切れると収入が途切れるため、収入面で不安定であることから、自営業・個人事業主は給与所得者と比べるとカードローンの申し込み・審査で不利になると言われています。
確かに雇用関係を結んでいる給与所得者と比べると収入面でのリスクは高いと言えますが、給与所得者でもリストラや倒産リスクが高まっている現在、それほど明らかな差があると言えなくなりつつあります。
自動車ローンや住宅ローンなどのまとまった金額を借りる目的別ローンと比べると、カードローンは比較的借りやすいと言えるでしょう。
自営業者・個人事業主が申し込むときのポイントとは
職業や申し込みをするカードローンの種類にかかわらず、審査が厳しくなっている昨今、カードローンの申し込みにはいくつか気をつけたいポイントがあります。そのポイントがどのようなものかを見てみましょう。
公的な収入証明書類が必要になる
申込書類や本人確認書類はもちろん欠かせませんが、この他に重要になるのが「収入証明書類」です。
従来はまとまった金額の借り入れや就業内容に応じて提出が求められていた収入証明書類ですが、貸金業法への総量規制の導入や銀行協会の自主規制の導入により、少額の借り入れであっても収入証明書類を求められるケースが増えています。
収入証明書類として代表的な源泉徴収票は自営業・個人事業主では用意することができないので、これに替わる収入証明書類として、確定申告書や所得証明書など、公的機関が発行した書類が必要となります。
在籍確認は自宅宛てにおこなわれる
会社勤めであれば会社にかかってくる「在籍確認」ですが、自宅が仕事場であることが多い自営業・個人事業主の場合、在籍確認の電話がかかってくるのは自宅であることがほとんどです。
仮に自宅に電話をひいていない場合や、在籍確認ができなかった場合は、別に営業していることを証明する書類を提出することで在籍確認の代わりとします。
事業資金に充てることはできない
審査を通ればさまざまな用途に手軽に利用できるのがカードローンの大きな魅力ですが、ほとんどのカードローンは利用規約に「事業性資金としての利用を禁止」する旨が記されています。このため、急場の資金繰りにカードローンで借り入れたお金を充てることはできません。
カードローンでは利用内容を調べられることはほとんどありませんが、仮に借り入れたお金を事業資金に充てていることが明らかになると、規約違反として重いペナルティーが課せられます。
自営業者・個人事業主はカードローン審査に通りにくい?
このように自営業・個人事業主のカードローンの利用は、給与所得者と比べると不利な面が多く、審査にも通りにくいと言われています。本当に審査に通りにくいことがあるのでしょうか。
自営業・個人事業主は給与所得者に比べて金銭面での信用が劣ることは事実であり、カードローンの申し込み・審査に不利になることは事実です。しかし、カードローンの審査ではその時点での信用だけではなく、融資をキチンと返済できるかが重視されます。そのため、現時点での収入は低くても、確実に返済できる能力があると判断されれば、借り入れることができます。
おわりに
新しい働き方として注目を集めている自営業・個人事業主ですが、金銭面で不安定であることは否めず、カードローンの審査などお金を借りるときにはマイナスに働くこともあります。
急場の資金需要に備えて、ある程度の余裕を持つことや、自営業として働きはじめる前にカードローンの申し込み・審査をするなどの対策をとることが必要になります。