JCBのアンケート調査から読み解くデビットカードの普及とカードローンへの影響

JCBのアンケート調査から読み解くデビットカードの普及とカードローンへの影響

クレジットカード会社JCBが全国の20歳から69歳の男女を対象に実施したインターネットアンケート「キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査2018」の調査結果を発表しました。
近年急速に普及が進んでいるデビットカードですが、その普及は現金やクレジットカード、カードローンの利用にどのように影響しているのでしょうか。
今回は、アンケート結果の内容を見ながら、デビットカードの普及がカードローンの利用にどのように影響するのかを見てみましょう。

普及が進むデビットカード。その実態は

口座残高の範囲内で利用できるデビットカード

デビットカードとは、預金口座とひも付けされた決済用カードの一種です。主に銀行をはじめとする金融機関が発行する決済用カードであり、クレジットカードと同じように商品やサービスの代金支払いに利用できますが、デビットカードによる決済は、決済代金が口座から即時引き落とされる点が異なります。
原則として支払い方法は一回払いに限られ、口座残高を超えない範囲での利用に限定されているので、口座開設が完了していれば無審査での発行に対応しているケースがほとんどです。

「ポイントが貯まる」「使い過ぎる心配がない」…。デビットカードのメリットとは?

今回のアンケート調査では、デビットカードを使っていると回答した121名に対して、デビットカードを使っていてメリットと感じる部分についてたずねました。
その結果を見てみると、

  • ポイントが貯まる…39.7%
  • 使い過ぎる心配がない…34.7%
  • 財布がかさばらない(現金を持ち歩かなくて済む)…33.1%
  • チャージが必要ない…32.2%
  • ATM手数料の節約になる…31.4%

となり、ポイントが貯まることを筆頭に、財布がかさばらないことやチャージの手間が省けるといった便利さ、使いすぎる心配がない安心感、ATM手数料の節約によるお得感など、現金にはないさまざまなメリットを感じている人が多いようです。

進むキャッシュレス化。場面ごとに見るキャッシュレスの普及

3割強が「キャッシュレス派」、「現金派」は4割を占める

同じアンケートでは、最近キャッシュレス化を進めているかもたずねていますが、回答者の34%がキャッシュレス派、40%が現金派と回答するなど、かつてのような現金志向が薄れていることがうかがえます。

少額の支払いは依然として現金派が優勢

ただ、その内容を見てみると完全キャッシュレスのレストランやコンビニの実現には否定的な見解が多く、劇的なキャッシュレス化が進む可能性はあまり大きいとは言えなさそうです。

デビットカードなどの普及はカードローンにどう影響する?

即時決済の手段として優秀なデビットカード

普及が進むデビットカードは、現金決済と比べるとポイント還元があることや口座残高の範囲内での1回払いに限定されるなど、決済手段としてかなり優秀な手段に数えることができます。
また、即時引き落としが原則となるので、出納管理がしやすい点も見逃せないポイントといえるでしょう。

日ごろの少額の出費という部分で重なる

このように即時決済手段として優秀なことから、銀行をはじめとする金融機関が普及に力を入れているデビットカードですが、カードローンとは日常的な少額の出費に充てるという部分で重複することが考えられます。
この点で自分の口座からお金を引き出すデビットカードに対して、カードローン会社からお金を「借りる」カードローンは返済という負担が生じるため、デビットカードに比べると不利になると考えられます。

まとまった出費にはカードローンが便利?

日常的な少額の出費という部分ではデビットカードに一歩譲るカードローンですが、ある程度まとまった金額が現金で必要になるようなときには、契約済みであれば即時融資に対応しているカードローンのほうが有利と言えます。
特にデビットカードの発行に積極的なインターネット専業銀行(ネット銀行)は借り入れ条件が魅力的なカードローンを別に提供していることが珍しくないため、デビットカードの使い分けを考えるのであれば、ネット銀行の口座開設はしておいて損はないといえるでしょう。

おわりに

今回は、急速に普及が進んでいるデビットカードの利用者の意識調査と、デビットカードがカードローンの利用にどのように影響するのかを見てきました。
それぞれ異なる性格の商品であり、場面やシーンに合わせた使い分けが必要となります。この記事を参考に、スマートなキャッシュレス生活をはじめてみませんか。

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