
カードローンの審査では、年収や雇用形態、勤続年数と並んで、他社借り入れの有無が重視されると言われています。
手軽に申し込みができることから、複数のカードローンとの間に契約や利用があることも珍しくありませんが、実は他社借り入れの有無はカードローンの申し込み・審査に大きく影響します。
今回は、カードローンの他社借り入れについて、その種類や審査への影響、対応方法などを見てみましょう。
そもそも他社借り入れってなに?
他社借り入れはカードローンの審査で「申込者の信用」を判断する項目の1つであり、その名前の通りほかのカードローンサービスからの借り入れを指します。
返済能力の有無を重視するカードローン審査では、年収や雇用形態、勤続年数と同じ程度に重要視されるポイントです。
知っておきたい他社借り入れの3つの種類
他のカードローンからの借り入れ
他のカードローンからの借り入れは申込時に申告する必要があります。ここでポイントとなるのが、すでに利用している・これから申し込みをするカードローンが銀行の提供するものなのか、消費者金融が提供するものなのかという点です。
消費者金融カードローンであれば、貸金業法の定める「総量規制」により、年収の一定額までの借り入れに制限されるのに対して、銀行カードローンであれば総量規制に準じる自主規制は導入されているものの、法的な規制はありません。
銀行カードローンも自主規制の導入により、かつてのように借り入れがしやすい環境ではなくなりつつありますが、まとまった借り入れを検討するのであればやはり銀行カードローンは有力な選択肢です。
目的別ローン
目的別ローンとは、決められた用途にしか使うことができないローンのことです。比較的メジャーな目的別ローンとして、カーローンやブライダルローンが知られています。
ここで問題なのは、信販会社が提供する目的別ローンは、目的によっては総量規制の対象になるケースがあることです。
総量規制は個人・法人向けに2種類ずつ・計4種類ある貸付契約のうち、「個人向け貸付」を対象としているため、個人向けの目的別ローンのうち、カーローンや住宅ローンを除くほぼ全てが総量規制の対象となります。
クレジットカードのキャッシング枠
カード1枚で自在に支払いができることから人気を集めているクレジットカード。ショッピング保険や電子マネーなど、多機能化が進むクレジットカードですが、その中の1つに一定額までの借り入れができる「キャッシング」があります。
ショッピング枠に比べると少額で金利負担の大きいキャッシングは、貸金業法の監督下にあるため、キャッシングの利用がある状態でカードローンに申し込みをするときには、その旨を明らかにする必要があります。
カードローン審査に影響する他社借り入れの3つのポイント
他社借入件数は少ないほど有利
他社借入件数の多い人は、「お金に困っている」ので「貸付をするリスクが高い」と判断されます。そのため、他社借り入れがないか、あっても1件・2件程度にとどめておく必要があります。
総量規制の対象にならないか
他社借り入れがある状態で新たにカードローンの申し込み・審査をするときには、総量規制の対象になるかがポイントの1つです。
例えば、すでに消費者金融カードローンから借り入れをしているのに新たに消費者金融カードローンに申し込みをすると、総量規制の対象となるので新たに申し込みをしたカードローンの限度額が引き下げられるリスクがあります。これを避けるためには、銀行カードローンに申し込みをすることが考えられます。
やむを得ず消費者金融カードローンに新たに申し込みをするならば、借り入れ希望額が年収の3分の1に収まるかを確認してから申し込みをしましょう。
他社からの借り入れを3カ月以上延滞していなければOK
カードローンの審査では「毎月の支払いに延滞がないか」という基準も重要。すでに他社借り入れがあれば、その返済状況は審査のときに注目されるポイントの1つです。
また、カードローン以外にもローンや分割払いの返済の遅延は「事故情報」として登録されるだけではなく、審査にも大きな悪影響を与えます。過去の返済に不安があれば、事故情報の有無を知るためにも事前に信用情報の開示をして確認するとよいでしょう。
他社借り入れがあっても審査に通過するためのポイント
使ってないカードローンを完済・解約する
当然ですが借入件数は、1件もない状態が最も望ましいです。極端な話、1円でも借り入れがあれば、他社借入件数1件としてカウントされるので、返済間近のカードローンがあるなら、申し込み前に随時返済(繰り上げ返済)で返済してから申し込みをしましょう。
また、カードローンは完済しても契約が残っていれば設定されている借入限度額が総量規制の対象となるので、使う予定がないなら解約することを忘れてはいけません。
ネットで事前の借り入れ診断をする
カードローンの申し込み・審査を通過するためのポイントはさまざまなものがありますが、実際の審査は申込者の属性やカードローンサービスの社外秘の審査基準に大きく影響されるため、これをしたからといって確実に通るというものではありません。そこで活用したいのが、カードローンサービスがウェブサイトで提供している簡易診断です。
簡易診断では、年齢や借入金額などの簡単な項目を入力するだけで、融資を受けられる可能性があるかがすぐに分かります。ただし、簡易診断はあくまで目安なので、本当に借り入れできるかは実際に申し込み・審査を受けるまでは分かりません。
おわりに
カードローンの申し込み・審査に影響する要素は数多くありますが、その中でも他社借り入れの有無は大きな要因の1つです。
しかし、借り方・返し方によってかなり強力にコントロールできる要素でもあるので、借り入れがある状態で新たに申し込みをする前に、完済・解約や事前の借り入れ診断などで、審査に通らないリスクを減らしましょう。