基本的な返済方法として口座引き落としが選べることから、カードローンの返済について意識する機会はあまりありません。そのため、毎月の返済である「約定返済」と余裕があるときの繰り上げ返済である「随時返済」という2つの返済方法の違いを知ることで、返済期間の短縮や返済金額の圧縮が期待できることもあまり知られていません。
今回は、カードローンの返済方法である約定返済と随時返済の違いを見てみましょう。
返済方法の基本となる「約定返済」とは?
毎月指定日に返済する「約定返済」
約定返済とは、毎月指定日または決められた期間内に、一定の金額を返済する返済方法です。「毎月決められた日」のことを「約定日」と呼ぶため、約定返済といわれています。カードローンに限らず、各種ローンの返済は約定返済が基本となります。
さまざまな約定にもとづいて返済を進める
約定返済の具体的な返済方法はカードローンによって異なりますが、申し込み時に指定した銀行口座から返済日に返済金額が引き落とされるか、期間内に銀行・コンビニの現金自動預払機(ATM)で口座振込をするのが一般的です。
約定日の設定はカードローンによって異なり、毎月一定日の返済であることがほとんどですが、前回の返済から数十日程度の間隔を空ける「期日指定」や返済日の前後数日程度の幅を持たせた約定返済の期間を設定していることもあります。
また、カードローンによっては返済日を任意の日付に指定することもできます。
約定返済のポイント
返済方法の基本である約定返済では、何よりも約定日を守ることが重要です。仮に約定日を過ぎてしまうと、返済金額に借入利率よりも高い罰金(返済遅延金)が日割りで上乗せされます。また、さまざまなローンや融資の審査の重要な参考情報である信用情報に返済が遅れた事実が事故情報として記録されるため、その後のローンや融資の申し込み・審査に悪影響を与えます。
約定返済とは違う随時返済とは?
お金があるときに約定返済とは別に返済する「随時返済」
「随時返済」とは、約定返済とは別に任意のタイミングで任意の金額を返済する返済方法です。約定返済の日付よりも繰り上げて返済することから「繰り上げ返済」とも呼ばれ、一般的にはこちらの呼び名で知られています。
効率よく返済を進められる随時返済
随時返済のメリットはいくつかありますが、もっとも大きいのが、返済が全額元金の返済に充てられることです。
約定返済での返済は元金と利息の返済に振り分けて返済されるので、毎月返済をしていてもとくに返済初期は借入金額がほとんど減りません。これに対して随時返済は全額が元金の返済に充てられるので、より早く返済を進めることができます。
「繰り上げ返済」と聞くとまとまった金額の返済が必要なイメージがありますが、数千円単位でもできるので、こまめに利用することで返済の負担をグッと小さくできます。
2種類ある随時返済
返済をすすめるために有効な随時返済ですが、返済方法によって「全額返済」と「一部返済」に分けられます。「全額返済」は元金全額とその日までの利息分を含めた借入金額をまとめて返済する返済方法であり、「一部返済」は元金の一部を返済する方法です。
最終的な返済金額がもっとも小さいのは全額返済ですが、金銭的な負担が大きいことから、一部返済が随時返済の主流となっています。
随時返済のポイント
返済の負担を軽くするためにも活用したい随時返済ですが、一時返済であれば随時返済分とは別に約定返済分の金額を確保する必要があります。随時返済ができても約定返済ができなければ、その月の返済はされていない扱いになり、遅延損害金の発生や信用情報に事故情報の記載などがされます。
随時返済をすすめるときには、約定返済が基本であることを忘れず、余裕資金で返済することを心がけましょう。
おわりに
カードローンの返済では、期日を守って約定返済を進めることが大前提となります。そのうえで金銭的に余裕ができたタイミングで、一部返済・一括返済による随時返済を取り入れることで、カードローンの返済負担をコントロールすることができます。