「農家の収入」と聞くとどれくらいかなかなか具体的にはイメージできる人は少ないのではないでしょうか。
すごい儲かっているようなイメージはありませんが、TVではたまにすごい豪邸が映ることもあるので判断しにくいのかもしれません。
今回は農業の収入について紹介します。
専業農家の収入
農業以外の収入源が基本的になく、農業に専念している農家の人のことを「専業農家」といいます。
現在は割合的には農家全体のうち、専業農家は3割程度しかいないとされています。
専業農家の収入源はもちろん農作物のみで、育てている作物によって収入には開きがありますが平均して200~300万程度とされています。
年間のうちで休日となる日も少なく、凶作や不作になってしまうと補償制度があるとはいえ、一気に収入が減少してしまいます。
専業農家の割合が低いことの背景にはこういった農業独特の不安定さと、働いた時間との釣り合いのとれなさが大きく関係しているといわれています。
また、トラクターなどの農耕具の買い替えや肥料、作物の種などの経費が多く、そのどれもが高額になってしまうので高値で売れたとしても大きく収入が増えることには繋がりにくいのも農業の収入の低さに関係しています。
兼業農家の収入
農業意外にも収入源となる職業がある人を「兼業農家」といいます。
日本の農家は兼業農家が大半で、収入面でも兼業農家の方が平均的に高くなっています。
兼業農家の収入の平均は育てている農作物と、普段勤めている職業によって大きくきますが、400~500万円ほどといわれています。
この収入のうち農業による収入は50~100万円程度で、ほとんどは農業以外の仕事による収入になっています。
やはり農業だけだと大きな収入を得るのはなかなか厳しいようです。
一部かなり稼いでいる人も
ネットやTVでは年収が1億以上の農家が紹介されることもあり、「農業は儲かる」という話がまことしやかに言われていましたが、そういった人たちは全体のごく一部です。
自分が作っている農作物のブランド力のアピールや農作物をまだ市場になかったような加工をして提供した、独自の販売ルートがあるなどが理由として挙げられます。
こういったケースであれば、農業は他の職業にひけをとらない収入源になります。
しかし、新しく就農(農業を仕事にすること)を考えている人がここまでの儲けを出すには時間や労力がかなりかかるため、相当な努力が必要になると思われます。
専業は厳しい
現在では専業農家の割合もかなり低く、収入もそこまで多くないため「道楽」とよばれることもあります。
ここまで専業農家が減り、兼業農家が増えたのは専業農家があまりにも収益が少ないため、兼業をしなければいけない状況になっているからです。
また、専業農家よりも兼業農家の方が収入面で安定性があり、不作や災害に見舞われても生活が送れるという観点からも兼業農家に切り替える人が多かったということもあります。
政府や自治体といった、農家や農業全体をサポートしていく組織からのより手厚いサポートがなければ今後も専業農家の割合は低下の一途をたどり、農家自体の人数にも影響を当てる可能性があります。
今後は「TPP」や「減反政策の廃止」をはじめとする農業全体へ影響を与えるようなケースも増えるため、早期の対応が求められます。
おわりに
今回は農業の収入について紹介しました。
育てている作物や住んでいる地域などの様々な要因で農業の収入は変化しますが、政府や自治体などが適切なサポートを行うことによって「農業は儲かる」という認識が再びあらわれるかもしれません。
今後の政策や制度には注目しましょう。