農業を語るうえで外せないのが「JA」の存在です。
テレビCMなどで名前を聞いたことのある人はたくさんいると思いますが、農家や農業に関係のある仕事をしていないかぎり、実際にはどういった活動をしている組織なのかは知られていないのではないでしょうか。
今回はJAとはどういった組織なのかについて紹介します。
JAとは
「JA」は「農業協同組合」の英訳である「Japan Agricultural Cooperatives」の略称です。「農協」とよばれることもあります。
「農業協同組合」という名前だけあって、農業に従事する人をサポートするサービスを中心に行っている組織です。
歴史は江戸時代にあった「先祖株組合」という農民の相互扶助を目的とした組織にまで遡ることができます。
現在も相互扶助に重点をおき、「農業協同組合法」に基いてJAに加盟した組合員同士が効率的に行えるようにサポートを行っています。
組合員は全国で456万人、准組合員は558万人(2013年)もいる非常に大規模な組織です。
JAの主な事業
JAが行っている事業は様々な種類があり、これらは農家の人や農業に関連している職業の人でなくても「出資金を支払って准組合員になる」か「員外利用をする」ことで様々なサービスや事業を受けることができます。
共済事業
通称「JA共済」とよばれる事業です。テレビCMで聞いたことがある人も多いと思います。
正式名称は「全国共済農業協同組合連合会」で、JAの中でも相互扶助が特に色濃くあらわれる事業です。
「共済」とは組合員が出資しあって「共済掛金」をつくり、有事の際にはその共済掛金で生活の安定を図る制度で、保険によく似ていますが「営利目的ではない」、「組合員と家族のみが対象」などの点で違いがあります。
JA共済が行っているのは「自動車共済」「自賠責共済」などの「くるまに関する共済」、「火災共済」「建物更生共済」などの「いえに関する共済」、「終身共済」「医療共済」などの「ひとに関する共済」の三種類があり、普通の保険と遜色ない補償が幅広く用意されています。
信用事業
通称「JAバンク」とよばれます。こちらもCMなどで知名度があると思います。
農業協同組合、信用農業協同組合連合会、農林中央金庫の3グループによって行われる信用事業で、銀行で行う通常の取引に加えて農耕具や一部の食品などの決済を行うことができます。
規模が大きく、全国に加盟している期間があるため、大手の銀行に相当するといえます。
経済事業
JAに加盟している組合員の農作物を販売する「ファーマーズマーケット」やスーパーマーケット「Aコープ」の運営、ガソリンやプロパンガスの供給、配置薬の販売など幅広く生活全般をサポートしている事業です。
指導事業
「営農指導事業」と「生活指導事業」に分かれていて、「営農指導事業」では農作物に関する知識や市場の状況などの情報、農耕技術、経営指導などを中心に行っています。
対して、「生活指導事業」は福祉活動や文化活動などの農業以外の生活面でのサポートを行っています。
その他の事業
この他にもJAは出版・文化事業、新聞情報事業、旅行事業なども行っていて、農家や農業関係者だけでなく人々の生活を円滑にするための事業を行っています。
おわりに
今回はJAとはどういった組織なのかについて紹介しました。
JAは人々が生活を効率的に送るために組織され、今では生活全体をカバーできるほどの事業の数になりました。
農家や農業関連の仕事に就いていなくても利用できるサービスは多くあり、一般の人でも加入できる方法はシンプルになっています。
今後も時代や利用者のニーズに合わせて事業やサービスの拡大をする可能性はあるので注目です。