
個人事業主や自営業者が事業をはじめるときにもっとも悩むのが、どこから資金を調達するか?ということです。
そこで検討したいのが、ビジネス向けの融資を提供している「カードローン型ビジネスローン」です。
今回は気になるカードローン型ビジネスローンについて、その特徴や申し込みのときの比較・検討のポイント、審査のときに気をつけたい点などについて見てみましょう。
ビジネスローンとはどのようなローンなのか
そもそも、ビジネスローンとはどのようなローンのことを言うのでしょうか。
ビジネスローンとは、個人事業主や自営業者をが対象の中小企業向けの事業者ローンのことを言います。
法律上では個人向けカードローンと異なり、ビジネスローンは「事業融資」に分類され、貸金業法に定められた「総量規制」の対象外となるのが大きなポイントです。
法律的には個人向けカードローンと明確に異なるビジネスローンですが、運用面では個人向けカードローンと同様に無担保・無保証人で申し込み・借り入れできるのが特徴です。
ただし、無担保・無保証であるため、不動産を担保とする「不動産担保ローン」や売掛債権(うりかけさいけん)を担保とする「売掛債権担保ローン」などと比べて金利が高く設定されています。
カードローン型ビジネスローンの特徴
中小企業向けの事業者ローンとして発達してきたビジネスローンは、これまでは商工会議所や信用金庫が中心となってサービスを提供していました。
最近では個人向けのカードローンを提供しているカードローン会社が個人向けカードローンの延長戦としてビジネスローンをはじめるケースも増えています。カードローン型ビジネスローンの特徴を見てみましょう。
借りやすく返しやすい制度設計
個人向け融資の延長線上であるため、従来のビジネスローンとくらべると格段に使いやすく、提携コンビニ現金自動預払機(ATM)や現金自動支払機(CD)、無人契約機での借り入れ・返済ができます。
そのため、事前に申し込み・審査を受けて融資枠を確保した上で必要なときに借り入れをするなど、利便性の面で格段に使いやすくなりました。
低い借入限度額と高い貸付利率
これまでのビジネスローンと比べて格段に借りやすく返しやすいのがカードローン型ビジネスローンの魅力です。
しかし無担保・無保証人のローンであるため、ビジネスローンとしては利率が高く、借入限度額が低く設定されているというデメリットがあります。
商工会議所や信用組合の提供するビジネスローンは、実質年率(利率)数%から10%程度の低利率で、最大1000万円までの借り入れに対応しています。
これに対してカードローン型ビジネスローンは、実質年率(利率)10%から18%で500万円程度の借り入れまでに対応と借入条件が限定されているのが一般的です。
カードローン型ビジネスローンはこれまでのビジネスローンと比べると借りやすく返しやすいものの、利率や借入限度額の面から使い勝手が良いとは言いにくい面があります。
通常の運転資金として用いるよりも、緊急避難的な利用を主に検討したいビジネスローンと言えるでしょう。
代表的なカードローン型ビジネスローンの一覧
- プロミス自営者カードローン(プロミス)…借入限度額 300万円、貸付利率(実質年率)6.3%~17.8%
- ビジネスポートカードローン(アコム)…借入限度額 300万円、貸付利率(実質年率)100万円まで12.0%~18.0%、100万円以上300万円は12.0%~15.0%
- ORIX CLUB CARD(オリックス)…借入限度額500万円、貸付利率(実質年率)50万円コース 8.0%~17.8%、その他コース 6.0%~14.9%
- OWNER’S SELECT CARD(新生銀行)…借入限度額 300万円、貸付利率(実質年率)13.0%~18.0%
- CREST for Biz(オリエントコーポレーション)…借入限度額 300万円、貸付利率(実質年率)30万円コース 15.0%~18.0%、50万円コース 9.6%~18.0% など
- カードローン(ビジネクスト)…借入限度額 1,000万円、貸付利率(実質年率)100万円未満の場合は13.0%~18.0%、100万円を超える場合は8.0%~15.0%
おわりに
個人向けカードローンの急激な普及にともない、カードローン型ビジネスローンも一般化しつつありますが、サービス内容はそれぞれ大きく異なり、十分な比較・検討が欠かせません。
従来のビジネスローンと比べると利便性が高いのがカードローン型ビジネスローンの特徴ですが、無計画な申し込み・借り入れをしないように気をつけましょう。