
自動車や住宅などを購入するときに組むローンには担保や保証人が必要とされるのに対して、カードローンでは担保や保証人が要求されることは基本的にありません。
なぜカードローンの申し込みでは担保や保証人が不要なのでしょうか。今回は保証人の役割と、カードローンの申し込み・借り入れに不要な理由について見てみましょう。
「保証人」とはどのような役割を担うのか
そもそも保証人は、ローンの申し込み・借り入れから返済までの流れの中でどのような役割を担っているのでしょうか。
「保証人」とは、契約者が契約を果たせないときに、契約者にかわって契約を果たす義務を負う契約をした人のことであり、その内容は身分保障から金銭契約まで幅広い範囲に及びます。
一口に保証人と言ってもその保証する範囲によって、内容に対する抗告権を持ち、契約の一部を保証する「保証人」と、内容に対する抗告権を持たず、契約の全てを保証する必要がある「連帯保証人」に分けられます。
連帯保証人は保証人に比べると保証内容に対する責任の割合が大きいだけではなく、契約内容に対して反論する権利(抗告権)が存在せず、極めて負担が重いことで知られています。
カードローンの申し込みでは保証人が不要なのか
自動車や住宅などの購入では保証人や担保が必要になるのに対して、カードローンは本人確認書類と収入証明書類だけで数十万円から数百万円の借り入れができます。なぜカードローンでは保証人や担保を用意しなくても、申し込み・借り入れができるのでしょうか。
カードローン審査では仮審査と在籍確認、本審査がおこなわれますが、実際の審査を担当するのはカードローン会社ではなく、別に存在する「保証会社」がおこないます。
カードローンの商品説明では、審査の項目に「所定の保証会社の保証を受けることが必要です」と記載されていますが、これは指定する保証会社が審査をおこなうことを意味します。
保証会社の存在により、カードローン会社は業務を委託することで手間やコストを削減できて、利用者は申込時に保証人や担保を用意する手間を省くことで気軽に申し込み・審査を受けられるというメリットがあります。
このようにカードローン会社と利用者の間に保証会社が立つことによって、カードローンの申し込み・借り入れには保証人や担保が不要となっているのです。
カードローンの申し込みで保証人が必要になるとき
ここまで見てきたような理由により、基本的にカードローンの申し込み・借り入れには保証人や担保が不要ですが、ごくまれに必要となることがあります。保証人や担保が必要となるケースについて見てみましょう。
申込者が学生や専業主婦のとき
もっともよくあるケースが、申込者が未成年の学生や未就業の専業主婦である場合です。この場合は保証人というより、収入のある保護者や配偶者の同意書が必要になります。
仮に同意書が用意できても、個人としての収入がないため、借入限度額に一定の制限がかかり、学生や専業主婦の高額の借り入れは事実上不可能であることに注意してください。
借入限度額の大きいカードローンの申し込み・借り入れをするとき
銀行系カードローンをはじめとして、一部のカードローンでは借入限度額を数百万円から1000万円程度と比較的高額に設定している場合があります。これだけ高額な申し込みになると、勤続年数や収入によっては保証人や担保を求められることがあります。
申し込み内容や審査結果に不安があるとき
カードローンは個人の信用情報(スコアリング)に基づいて審査をおこない、借入限度額を決定するため、申し込み内容や審査結果、信用情報に何らかの問題があれば審査を通ることはありません。
しかしごくまれに審査を落とすほどではないものの、融資枠を設定するのに疑問を覚える内容や結果が出る場合があり、申込者が保証人を立てられれば、融資枠を設定することがあります。
事業者向けカードローン(ビジネスローン)の申し込み・借り入れのとき
個人向けカードローンは資金使途を限定していませんが、事業向け資金は個人向け融資と比べて回収に失敗するリスクが高いことから唯一「事業向け資金」としての利用は禁じられています。
事業向け資金として、個人向けカードローンとは別に、担保・保証人不要の事業者向けローン(ビジネスローン)が設定されていますが、こちらも申し込み内容によって保証人が必要となることがあります。
おわりに
カードローンは保証人や担保なしで利用できる手軽さが魅力ですが、その手軽さを実現するためにさまざまな仕掛けがあります。
これらの仕組みを知ると、より確実な借り入れが期待できるようになります。