
手軽に利用できることから急速に普及しているカードローンですが、気軽な利用が思わぬ返済負担につながり、多重債務や自己破産の原因になることもあります。
トラブルのないカードローン利用のためには、ポイントを抑えて返済を進めることが欠かせません。
今回はカードローン返済の中でも、特に返済を進める役に立つ「随時返済」と「おまとめローン」について見てみましょう。
カードローンの返済に欠かせない「返済日」と「返済金額」
はじめに、カードローンの計画的な返済の基本となる「返済日」と「返済金額」について見てみましょう。
返済の基本となる「返済日」
カードローンでは基本的に毎月決まった日(返済日)に一定の金額を支払うことで返済を進めていきます。計画的な返済のためには返済日を把握して、引き落としや振り替えが失敗しないように準備することが欠かせません。
返済日はカードローンごとに異なり、あらかじめ返済日を指定されていることがほとんどですが、中には契約者が自由に返済日を決められるものもあります。このようなカードローンでは、給料日から日を置かない日にするなど、返しやすい返済日を設定することが安定した返済には重要です。
返済負担を左右する「返済金額」
返済日と合わせて返済に欠かせないのが、毎月の返済金額の把握です。
返済金額が少ないと毎月の負担は小さいものの、返済期間が長引き利息負担がかさみます。反対に大きければ毎月の負担は大きくなるものの、最終的な返済負担は小さくなる傾向があります。
返済金額は借入限度額・借入残高に応じて決まっていることがほとんどですが、毎月の返済とは別に任意のタイミング・金額で返済を進める「随時返済(繰り上げ返済)」という仕組みが用意されています。
返済を進めるのに役立つ「随時返済(繰り上げ返済)」
基本的にカードローンの返済方法は借入限度額・借入残高に応じて設定される返済金額を毎月指定日に返済する「定例返済」です。この定例返済とは別に「随時返済(繰り上げ返済)」という仕組みがあります。
メリットの大きい繰り上げ返済
繰り上げ返済は任意のタイミングと金額を現金自動預払機(ATM)やインターネットバンキングで返済する方法であり、繰り上げ返済のメリットとして見逃せないのが、繰り上げ返済での返済分は全て元金の返済に充てられることです。
仮に約定返済で毎月の返済金額が1万円であれば、全額が元金の返済に充てられるわけではなく、1割から数割程度は利息の返済に充てられます。これに対して繰り上げ返済は全額が元金の返済に充てられるのでより早く元金の返済が進み、最終的な返済負担の軽減にもつながります。
地道に定例返済を進めても借入残高がなかなか減らないと悩んでいるのであれば、少額でも繰り上げ返済をすることで、返済の負担を軽くすることが期待できます。
約定返済とは別扱いであることに注意
メリットの大きい繰り上げ返済ですが、本来の返済である約定返済とは別扱いであり、定例返済は別に発生することには注意が必要です。
繰り上げ返済で返済を進めても定例返済ができなければ、最悪の場合は個人信用情報に事故情報が記録され、その後の借り入れに支障をきたすことになります。
繰り上げ返済をおこなうときには、定例返済も考えた返済をおこなうことが欠かせません。
複数のカードローンを一本化する「おまとめローン」
一つのカードローンの返済だけでも大変ですが、複数のカードローンの返済が重なるとどこかで返済トラブルが起こる可能性は決して小さくありません。そこで検討したいのが、複数の借り入れを一本化して負担を減らすことを目指す「おまとめローン」です。
専用の「おまとめローン」はない?
おまとめローンは専用のカードローンもありますが、サービス面では通常のカードローンと比べても特に優れている部分があるわけではありません。
おまとめローンは既に借り入れているカードローンの中でも借入条件の有利なカードローンに借り入れを集中するか、新たに借入条件の有利なカードローンを利用するのが一般的です。
新たに借り入れをするのであれば、「おまとめ・借り換え」をうたうカードローンと契約するとより有利に返済を進めることが期待できます。
過払い金請求との関係が難しいおまとめローン
おまとめローンの注意点として、おまとめローンで返済したカードローンも過払い金返還請求の対象から外れることがあげられます。
複数のカードローンをおまとめローンに一本化すると、それまでの借入先におまとめ先から一括返済をしますが、このときに過払い金返還請求をせずに請求権をうしなうケースも珍しくありません。
おまとめローンで借り入れを一本化したときには、その内容の精査は欠かせないといえるでしょう。
おわりに
カードローンの計画的な返済のためには、返済日と返済金額の把握が大前提であり、速やかに返済を進める手段として繰り上げ返済やおまとめローンがあります。
カードローン会社によっては返済条件に柔軟に対応してくれるので、返済の負担が重すぎるようであれば、カードローン会社に相談してみることも必要です。