
手持ちの現金が足りないときのカードと言えば、カードローンと並んでクレジットカードがあげられますが、これらのカードの違いは何でしょうか。
今回は、クレジットカードとカードローンのそれぞれの仕組みと、その違いについて見てみましょう。
クレジットカードとはなにか
そもそも、クレジットカードとはどのような機能と仕組みを持ったカードなのでしょうか。
クレジットカードの機能について、日本クレジットカード協会では下記のように説明しています。
Creditを日本語に訳すと信用(名詞)、信用する(動詞)などになります。
クレジットカードのクレジットとはまさにこの信用のことで、本来は利用者の信用に基づいた信用供与を意味しています。
この信用を基に、利用者とカード会社の間に契約が結ばれ、買い物や食事ができるようになっています。
引用:クレジットカードの基礎知識 – JCCA
つまりクレジットカードとは、カード契約者の様々な情報から勘案した社会的な信用を担保して契約を結び、契約の枠内で様々な用途に利用できる仕組みのことを言います。
それでは具体的に、クレジットカード発行後、ショッピングでクレジットカードを利用した場合を仮定して、請求に至るまでの流れを追って見てみましょう。
- 最初に、カード会社とカード契約者の間で社会的・金銭的信用を担保とした契約が結ばれます(カード発行)
- このカードを使って、カード契約者がカード会社と契約しているお店(加盟店)でカードを利用し、お店はカード会社に売上伝票を送付します(カード使用・売り上げデータ伝送)
- カード会社は加盟店から利用履歴を受け取り、カード契約者に代わってカード利用代金を支払います(売上代金支払い)
- カード会社は期間中のカード利用額を集計し、利用明細をカード契約者に送付します(利用金額の確定・利用明細の送付)
- 利用明細の送付後、指定した期日にカード契約者の口座から支払った金額を始めとする必要な金額を引き落とします(利用代金支払い)
ここまでの一連の流れが、普段何気なく使っているクレジットカードの発行から引き落としまでの基本的な流れです。
クレジットカードには大きく分けて、VISAやMasterCard、JCBなどの国際ブランドが発行している「プロパーカード」と、国際ブランドと提携した企業が独自の特典を上乗せして発行する「提携カード」の2種類のカードがあります。
プロパーカード・提携カードそれぞれにメリット・デメリットがあるので、クレジットカード比較サイトなどで比較・検討してからライフスタイルに合ったカードを発行すると良いでしょう。
クレジットカードとカードローンの違い
クレジットカードの仕組みをざっくりと把握したところで気になるのは、クレジットカードとカードローンはどのように違うのかということです。
どちらも基本的に「ローン」という言葉は入りますし、カード1枚あればお金を借りることや商品を購入することが可能で、何より利用した金額を返済しなければならないことは変わりありません。
このように、表面だけを見ると似ているクレジットカードとカードローンですが、その内容を詳しく見てみるとその中身は実は大きく異なります。
買い物時のカードの使い方で考えてみると、それぞれのカードの違いがよく分かります。
クレジットカードは基本的に、買いものを始めとする様々な契約にキャッシング枠を利用しますが、カード会社とカード契約者、加盟店の3者間での信用を担保とした契約なので、カードを提示するだけで買いものや契約ができます。
これに対してカードローンは、キャッシング枠を現金化しない限り、買いものなどには使用できず、店頭でカードを提示しても買いものなどには利用できません。
このように、「カード1枚でお金に関わるやり取りを簡素化できる」という部分ではクレジットカードもカードローンも変わらないものの、その内容は全く正反対であると言えます。
二つのカードをどのように使いわけるか
ここまで見てきたように、クレジットカードとカードローン表面的には随分と似ています。しかしその内容をキチンと見てみると、全くの別物であることが分かります。
それでは、この二つのカードはどのように使いわけると良いのでしょうか。
冒頭でも触れたように、クレジットカードはカード会社とカード契約者、加盟店の3者間での信用を担保とした、代金のやり取りの仕組みです。
これに対してカードローンはカードローン会社と契約者2者間のやり取りの仕組みです。
このことからクレジットカードとカードローンのどちらかに頼りきるのではなく、必要に応じて両方を柔軟に使いわけるのが賢い利用方法と言えそうです。
おわりに
クレジットカードとキャッシュカードは表面的には似たような仕組みと言えますが、その内容を詳しく見てみると、実は全く別物であることに気付かされます。
繰り返しになりますが、クレジットカードとカードローンの性質をキチンと把握した上で、その時々の場面にあった使いわけをすることが賢い使い方と言えるでしょう。