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マイホームを守ろう!個人再生の手続きの流れ

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債務整理と一口に言ってもさまざまな手段があります。もっとも一般的なものは「任意整理」は、任意整理は弁護士や司法書士を間に介して行う手続きとして知られています。
これに対して2001年からはじまった「個人再生」も、債務整理の一つとして数えられます。
今回は個人再生がどのようなものなのかについてお話していきたいと思います。

個人再生は住宅を守るための手続き

個人再生は、裁判所を通じて債務を減額してもらう、いわば多重債務に悩んでいる人の再生手続きになります。裁判所に提出した再生計画が承認されると、借金額はおよそ5分の1になります。
個人再生のもっとも大きな特徴は、借金を減らすことだけではなく「住宅ローンの返済を継続できる」ということ。言い換えると、住宅ローン以外の借金についてのみ、整理することができるということです。
個人再生はよく、任意整理と自己破産の中間ぐらいの手続きと表現されます。
裁判所に申し立てるという部分では自己破産と同じですが、全ての債務が免責されるというわけではありません。任意整理は借金総額が1,000万円以下など、比較的少なめの人が利用する手続きになるため、5,000万円ほどの借金額が目安になっている個人再生はちょうどその間くらいということになります。
個人再生は、大きく「小規模再生」と「給与所得者等再生」の2種類に分かれます。

小規模個人再生

小規模個人再生は、主に個人事業主や自営業者向けのもので、継続的に収入を得る見込みが立っていて、債権の総額が5,000万円未満という条件を満たしている場合に利用することができます。上で述べた通り、借金が5分の1に減額されるというのは、借金総額が500万円~1,500万円未満の時です。後はそれぞれの借金額に応じて、再生後の返済額は変わってきます。
ただしこの小規模個人再生は、提出した再生計画に同意する債権者が半数以上でないと可決されません。また、同意する債権者の債権額が総債権額の2分の1を超えていないと認められないということになります。

給与所得者等再生

主に会社員や公務員の人向けの手続きが給与所得者再生です。給与所得者再生は小規模個人再生を受ける条件を満たしていて、定期的な収入があり、その収入の変動が年収の20%以内であれば利用することができます。
小規模個人再生との違いは、給与所得者等再生に関しては債権者の意見は聞くが、同意を得る義務は生じないということです。

個人再生の流れ

個人再生の申立書を作成する(開始~2週間)

最初に個人再生をするための申立書を作成するため、裁判所から指示された個人資産や収入の詳細、または住宅資金など多くの情報と資料が必要になります。
これらの手続きを個人的に進めていくのは大変なので、おおむね弁護士や司法書士に依頼するということになるでしょう。

裁判所に申し立てる(開始~2週間)

申立書を作成したら、実際に裁判所に申し立てを行います。
個人再生の返済計画の期限は3年間です。裁判官からこの間しっかりと返済ができるかどうかの確認や、その他高額な財産が存在していないかなどの質問をされます。
事前に資料をきちんと準備していれば数分で終了する内容です。ちなみに裁判所へ申し立てを行った時点で、債権者は取り立て行為を禁止されます。

個人再生手続き開始決定(開始~2週間)

個人再生は3年間の間借り金を返済していく必要があるため、実際に支払いができる状況なのかどうかを裁判所が数ヶ月間監視します。これを「履行テスト」と言います。
テストの具体的な方法というのは、専任している弁護士、もしくは本人名義の口座に返済予定額を積み立てしていくことで見ていくというものです。
また、個人再生は住宅ローンの支払いを継続し、債権を減額してもらうという手続きであるため、「弁済許可」ももらわないといけません。

再生計画案の提出(2カ月目)

申立書の作成から、およそ2カ月目でようやく再生計画案を提出する流れになります。弁護士の方とよく相談の上、可能な再生計画案(返済計画)を提出します。
小規模個人再生の場合は、全ての債権者から再生計画案についての異議がないかの決議を取ります。それらを総合的に判断し、法律上の問題なども特に生じていなければ、裁判所が書面での決議を決定します。
給与所得者等再生の場合は、決議を取るということはしませんが、手続き保障のため、債権者からの意見の聴取は行います。

認可決定確定(7カ月~8カ月目)

再生計画案の提出後、債権者が集まり計画書についての決議を行います。認可決定の確定は、官報に認可決定の旨が掲載されから2週間の経過で決まります。
裁判所が個人再生法に基づいて認可した後、債務者は再生計画にならって弁済していくという流れになります。

個人再生にかかる費用は?

個人再生にかかる費用は、いくつかのパターンによって微妙に異なります。
例えば裁判所によっては、個人再生委員という担当の方がいて、その方と相談しながら手続きを進めていくという形を取ることができます。その場合の申し立て費用はおおよそ30万円弱になるでしょう。
一方で司法書士に依頼する場合には、平均で20~30万円程度、そして弁護士に依頼する場合には、平均で30~50万円というところが多いようです。
また、この手続きに必要な費用とは別途成功報酬を支払わなければいけない事務所もあると思います。あらかじめ、個人再生にかかる総額費用は事前に問い合わせて調べておいてください。

個人再生にかかる費用まとめ

  • 収入印紙代…10,000円
  • 郵便切手代…1,600円
  • 官報掲載費用…12,000円
  • 弁護士・司法書士への依頼料…約30,0000円

おわりに

今回は債務整理の中のひとつである個人再生にスポットをあてて書き進めてきました。
個人再生は、「住宅を残すための再建手段」と言われています。せっかく手に入れたマイホームを手放さなくてはならないような危機にぶつかってしまった時には、ぜひとも検討したい手続きです。

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