
1枚あると買いものや公共料金の支払いが便利になるクレジットカードと、持っていると急な出費のときに大いに助かるカードローンですが、その違いを意識して使うことはあまりないと思います。
今回は、クレジットカードとカードローンの違い、さらにカードローンにはクレジットカードで一般的なカードステータスに該当するものがあるのかについて見てみましょう。
クレジットカードとカードローンの仕組みと違いとはなにか
普段何気なく使い分けているクレジットカードとカードローンですが、ちょっと考えると実はその違いについて詳しく知らないことに気付かされます。
そこで最初に、クレジットカードとカードローンの仕組みとその違いについて見てみましょう。
クレジットカードの仕組みと特徴
クレジットカードは発行主体が銀行や信販会社であり、付与されるキャッシング枠を使うことで現金を借り入れることもできますが、一般的にショッピングや公共料金などの商品やサービスの代金を支払うときに使われます。
会計時にカードを提示して承認されるとその時点でクレジットカード会社が代金の支払いを立て替え、カード保有者はクレジットカード会社に対して代金を支払うことになります。
支払い方法としては一括払いや分割払い、リボ払いなどがあり、そのときどきに合わせた支払い方法を選べるだけでなく、カードによっては後日返済方法を変更することも可能です。
カードローンの仕組みと特徴
カードローンの発行主体は、かつては消費者金融に限られていました。しかし様々な規制緩和や個人向け融資の強化の方針により、近年では銀行や信販会社も参入しています。
現在では、消費者金融から銀行に至るまで、個人向けの金融サービスを提供している会社は、基本的にカードローンを提供していると考えて間違いはありません。
ショッピングを主体にキャッシングもできるクレジットカードと違い、カードローンでできることはキャッシングに限られますが、借入限度額の枠内であれば、制限なく借り入れできるのがカードローンの魅力です。
カードローンの返済方法はいくつかの種類がありますが、基本的にリボルビング払いに限られています。
そのため、様々な返済方法に対応しているクレジットカードに比べると返済の負担が大きく、最終的に返済する金額も大きくなる傾向があります。
カードローンにステータスはあるのか
クレジットカードは一定の基準を満たすことで、順にクラシックからゴールド、ブラック…とステータスが上がっていきます。
一般に知られている中でもっとも高いステータスを誇るプラチナカードになると、数万円から数十万円もする年会費とそれに見合ったサービス内容が提供されるため、プラチナカードを保有することは憧れと言われています。
このように利用実績に応じて高くなるクレジットカードのステータスに該当するものはカードローンあるのでしょうか。
カードローンにはクレジットカードのステータスと直接対応するものはありません。しかし利用実績を積みかさねることで、初期は低く抑えられている借入限度額が引きあげられるのと同時に、これに対応して実質年率(利率)は引きさげられます。
借入限度額の大きい銀行系カードローンでは、サービス上限の数百万円から1千万円の借入限度額が付与されると、年数%程度という低い利率での借り入れ・返済が可能になります。
このように、クレジットカードのステータスと互換するものはありません。
しかし利用実績を積みかさねて徐々に信用を積みあげると、サービスの自由度が向上するという点では、借入限度額と利率の大小はカードローンのステータスとも考えられます。
カードローンにゴールドカードにはあるのか
ここまで見てきたように、カードローンにはクレジットカードのステータスに該当するものはなく、借入限度額と利率の大小がそれに近い役割を果たしていると考えられます。
では、カードローンには借入限度額と利率の大小以外にも差別化の条件はないのでしょうか。実はいくつかのカードローンでは、一般のカードローンと差別化を図った「ゴールドローン」を設置しています。
ゴールドローンでは一般のカードローンよりも有利な借り入れ条件で提供しているカードローンであり、発行するカードも差別化していることがほとんどです。
ここでは代表的なゴールドローンと、その内容について見てみましょう。
マネーカード ゴールド(クレジットセゾン)
クレジットセゾンの提供するカードローン「マネーカード」では、通常のマネーカードとは別により自由度の高い「マネーカード ゴールド」が用意されています。
借入限度額が200万円コースと300万円コースの二つに分かれていて、それぞれ実質年率(利率)が8.47%と6.47%と無印のマネーカードと比べると使い勝手が良いという特徴があります。
三井住友カード ゴールドローン(三井住友カード)
三井住友グループの信販会社である三井住友カードは、クレジットカードと合わせてカードローンサービスを提供しています。
三井住友カードのカードローンの特徴は、通常のカードローンの異なり、提供しているカードがゴールドカードだけに絞られていること。ゴールドローンの借り入れ条件は借入限度額700万円まで、実質年率(利率)が3.5%~9.8%と通常のカードローン以上の自由度があるのが特徴です。
また、カードローンでは珍しいカード発行なしの貸し付けに対応していて、実質年率(利率)が3.5%~9.2%とカード発行カードローンと比べると、利率が若干低いのは見逃せません。
北陸銀行クレジットカード スーパーNOW<ゴールド>(北陸銀行)
雪深い日本海側の中部地方・富山県富山市に本店を置く地方銀行の北陸銀行が提供しているカードローンサービスの中にも、ゴールドカードサービスが用意されています。
借入限度額500万円、実質年率(利率)6.8%~14.6%であり、一定の条件を満たせばインターネットでの全国からの申し込み・借り入れに対応しているのが特徴です。
おわりに
このようによく似た役割を果たしているクレジットカードとカードローンは、似ている部分こそ多いものの、その内容は全く異なるものです。
カードローンの中でもゴールドカードと名乗るサービスを提供しているサービスがありますが、その内容はクレジットカードのゴールドカードと全く異なるため、混同しないように注意しましょう。