保証人と連帯保証人_アイキャッチ

知っておきたい「保証人」と「連帯保証人」の違い

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保証人や連帯保証人、担保なしで申し込み・借り入れできるのがカードローンの魅力ですが、だからと言って保証人や連帯保証人について知らずにいても良いというわけではありません。むしろ日常生活に縁がないからこそ、保証人と連帯保証人について知っておく必要があると言えます。
今回は保証人と連帯保証人の違いと、カードローンの申し込みで保証人と連帯保証人が不要とされている理由について見てみましょう。

「保証人」と「連帯保証人」の仕組みを把握しよう

そもそも保証人とは、ローンの申し込み・借り入れから返済までの流れの中で、どのような役割を担っているのでしょうか。
「保証人」とは、契約者が何らかの理由で契約を果たせないときに、契約者にかわって契約を果たす義務を負う契約をした人のことであり、民法第446条、452条、453条および454条に規定されています。保証人が保証することができる内容は、債務者の身分保障から金銭契約まで、実に幅広い範囲に及びます。
一口に保証人と言っても、その内容によって、

  • 内容に対する抗告権を持ち、契約の一部を保証する「(単純)保証人」
  • 内容に対する抗告権を持たず、契約の全てを保証する必要がある「連帯保証人」
  • 契約の限度額内であれば契約後に発生した債務についても保証する「根保証人」
  • 自己の財産をもって他人の債務を担保する「物上保証人」

に分けられますが、個人向け融資の契約の保証人は基本的に保証人か連帯保証人のどちらかです。

知っておきたい保証人と連帯保証人の違い

保証人と連帯保証人は,主債務者が何らかの理由で債務の返済できなくなったときに代わりに返済する義務を負っているという点では共通していますが、「催告の抗弁権」と「検索の抗弁権」、「返済義務」という点で保証人と連帯保証人は異なります。
それぞれの意味と違いについて、大まかに見てみましょう。

「催告の抗弁権」の有無

債務者の返済がとどこおり、債権者が保証人に対して返済の請求をしてきたときには,保証人であれば「まずは債務者に請求してください」と主張することは、法律の上では認められています。これを「催告の抗弁権」と言いますが、連帯保証人にはこの催告の抗弁の権利は認められていないため、返済の請求には可及的速やかに応じる必要があります。

「検索の抗弁権」の有無

主債務者に返済できる資産があるにもかかわらず返済を拒否すると、保証人に対して返済の請求がおこなわれますが、この場合は保証人であれば主債務者に資力があることを理由に債権者に対して主債務者の財産に強制執行をするように主張することができます。これを「検索の抗弁権」と言いますが、連帯保証人は検索の抗弁を主張することはできません。主債務者に返済するだけの資金がある場合でも、貸金業者に対して返済する義務が発生します。

返済義務

ある契約に対して複数の保証人がいる場合,保証人はその契約の債務を頭数で割った金額のみを返済すればよいのに対して、連帯保証人はその契約の債務の全額を肩代わりして返済する必要があります。
連帯保証人であっても契約の範囲を超えて返済する必要はありませんが、保証人と比べて連帯保証の返済義務は重く、大きなトラブルの原因になりやすいことから問題視されています。

カードローンの申し込みに保証人や連帯保証人が不要な理由

このように個人向け融資の返済を保証する仕組みが、保証人や担保といった仕組みですが、カードローンでは、本人確認と収入証明、個人信用情報だけで申し込み・借り入れできるのが特徴です。
なぜ、カードローンの申し込み・借り入れでは保証人や担保が必要とされていないのでしょうか。その秘密は、「保証会社」の存在です。保証会社とは、申込者の信用情報の審査や債権の管理を主な業務とする会社であり、ほとんどのカードローンサービスは保証会社と契約を結ぶことで申し込み審査や債権の保全を委託しています。
カードローンの商品概要書には、「所定の保証会社の保証を受けることが必要です」と記載されていますが、これは指定する保証会社が審査をおこなうことを意味します。
保証会社を利用することで、カードローン会社側から見ると手間やコストを削減することで素早く対応できて、利用者側から見ると保証人や担保を用意する負担を省くことができるので、気軽に利用できるというメリットがあります。
このようにカードローン会社と利用者の間に保証会社が立つことによって、カードローンの申し込み・借り入れには保証人や担保が不要となっているのです。

おわりに

カードローンは保証人や担保なしで手軽に申し込み・借り入れできる身近な個人向け融資ですが、保証人や連帯保証人の仕組みを知っておくことで、いざというときの対処も容易になります。
このコラムをきっかけに、保証人や連帯保証人に関する知識を学んで、安易な選択をトラないだけの知識を身につけるようにしてください。

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