各種の債務整理にかかる費用の目安_アイキャッチ

債務整理の主な種類と、かかる費用の目安

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借り入れたお金(債務)の返済不能な状態になったときに検討したいのが、債務者と相談して返済金額を大きく減額や帳消しができる「債務整理」です。
イザというときのために覚えておきたい債務整理ですが、債務整理にかかる費用について知っている人は、あまり多くありません。
そこで今回は、債務整理の大まかな内容と債務整理に必要な費用について見てみましょう。

主な債務整理の種類

それぞれの債務整理にかかる費用の目安について見る前に、まずは主な債務整理の特徴について見てみましょう。

任意整理

もっとも一般的な債務整理の方法が、司法書士などの専門家に手続きを依頼して利息の再計算(引き直し計算)や支払い方法の変更を債権者と話し合う「任意整理」です。
任意整理では現在よりも有利な条件を設定して支払い可能な条件の合意を成立させることを目指します。

特定調停

債務者が各地の簡易裁判所(調停委員)に申し立て、調停委員が債務者と債権者の間に立って借金の減額や、返済条件の見直しをおこなうのが「特定調停」です。
2000年(平成12年)の特定調停法の施行により、多額の借金を抱える者が破産せずに返済の負担を軽減できる制度として広く利用されるようになった特定調停ですが、その手続きの煩雑さから現在では申立件数は減少しつつあります。

民事再生(個人再生)

住宅等の財産を維持したまま大幅に減額された借金を原則3年以内に返済するのが「民事再生(個人再生)」です。
民事再生では減額後の借金を期限内に完済すれば,住宅ローン以外の債務については法律上返済する義務が免除されるのが特徴です。

自己破産

裁判所に対して返済不能(破産状態)であることを申し立てて免責を受けることで、全ての債務を免除するのが「自己破産」です。
自己破産を申し立てて認められると、一定金額以上の資産は全て没収され、金銭を取りあつかう職業への就業が制限されるなど、さまざまな制限事項が存在します。

債務整理にかかる費用の目安

債務整理を担当する弁護士事務所は無数にあり、その料金設定は千差万別であるため、債務整理の内容によって一概にいくらとは言いきれません。
共通している費用としては、債務整理をおこなっている法律事務所の手続き費用は債務整理の手続きをはじめるときに支払う「着手金」と、債務整理が成功したときに支払う「成功報酬(減額報酬)」があげられます。
1つの債務について債務整理を依頼した場合、着手金と減額報酬はそれぞれ1件ずつの支払いとなりますが、複数の債務整理を依頼した場合、着手金の支払いは1件だけですが、減額報酬は依頼した債務整理の件数分だけ支払う必要があることに注意が必要です。

任意整理

もっとも一般的な債務整理の方法として知られる任意整理は費用面での負担は意外と大きく、着手金に数万円、減額報酬も1社あたり数千円から数万円が発生します。
複数社の債務の任意整理を申しこんだ場合、数十万円単位の出費がかかります。

特定調停

手続き的にはもっとも手間がかかる債務整理と言われている特定調停ですが、実は費用面ではもっともメリットの大きい債務整理の方法です。
裁判所に対して直接申し立てをおこなう特定調停では、必要となる費用は申立手数料と手続き費用の実費だけで済むので、数千円程度の出費で済むと言われています。

民事再生

申し立てと完済後の生活再建が比較的簡単な民事再生ですが、費用面での負担はもっとも大きい債務整理の手続きとなります。
民事再生の場合は申立手数料だけで数十万円が必要となり、法律事務所によっては法律事務所が裁判所に納める「予納金」だけでも1万円から数万円単位の費用が生じます。
民事再生の費用面での特徴としては、「住宅ローン特例」の存在があります。
3年という期間内に債務の返済が求められる民事再生では、住宅ローンの有無が返済条件を大きく左右します。そのため、いくつかの条件を満たすことで住宅ローンを債務整理の対象から除外して、完済後も自宅だけは手元に残すのが「住宅ローン特例」です。

自己破産

法的にはもっとも重い債務整理である自己破産ですが、費用面でも負担の大きい債務整理です。
自己破産は、破産管財人を選定して破産者の財産を調査・管理・処分して債権者に分配する「管財事件」と、破産管財人を選定せずに手続き開始と同時に廃止・終了する「同時廃止事件」に分けられますが、管財事件と同時廃止事件のどちらでも数万円の着手金と数十万円の費用が必要となります。

おわりに

このように、一口に債務整理と言ってもその内容は実にさまざまであり、かかる費用も数千円から数十万円と大きな開きがあります。
非常の手段として覚えておきたい債務整理ですが、法的にも費用的にも負担が大きいことを十分に注意した上で申し立てをするようにしましょう。

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