
2016年7月10日に投開票がおこなわれた第24回参議院選挙は、与党である自民党・公明党が議席の過半数を獲得する結果となりました。
今回の選挙結果は、今後のカードローンの申し込み・借り入れにどう影響するのでしょうか。
参議院選選挙の結果と今後期待される政策、カードローンの申し込み・借り入れへの影響について見てみましょう。
第24回参議院選挙の争点と投開票結果
今後期待される政策とカードローンの申し込み・借り入れへの影響を見る前に、今回の参議院選挙の投開票結果について見てみましょう。
今回の参議院選挙は選挙権の18才引き下げと「1票の格差」を是正するために選挙区の合併(合区)が導入された最初の国政選挙でした。投票率は全体で54.7%と前回の参議院選挙を2%弱上回り、注目された10代の投票率は45.5%と全体を下回る数字に終わりました。
投開票の結果は、改選対象となった121議席のうち、自民党・公明党が過半数の70議席を獲得したことで非改選の議席と合わせて衆参両院で過半数の議席を確保しています。
選挙結果と期待されている政策
安倍首相は選挙結果が確定した12日に早速経済対策の立案を支持しました。
その内容を時事通信の報道から引用して見てみましょう。
(前略)
政府は、税収に依存せず、国が政府系金融機関などを通じた低利融資で民間事業を支援する財政投融資を積極活用。JR東海のリニア中央新幹線の大阪延伸の8年程度前倒しや整備新幹線の建設を後押しする考えだ。
首相は対策指示の中で「英国の欧州連合(EU)離脱の選択など世界経済の需要低迷、成長の減速のリスクが懸念される」と指摘した。対策には地方経済の活性化や「1億総活躍社会」の実現加速、中小企業・小規模事業者や海外進出企業の資金繰り支援などの施策を盛り込む。
具体的には、政府が掲げる農林水産物・食品の輸出額1兆円(15年は約7450億円)の早期達成に向け、輸出関連のインフラ整備を加速。クルーズ船受け入れのための港湾施設整備のほか、地方のホテル・旅館の改修・建設支援など訪日外国人観光客4000万人の目標達成に向けた観光業強化策を推進する。保育・介護の受け皿整備、年金受給資格を得るための保険料納付期間の短縮、無利子奨学金の拡充なども盛り込む。
税収の大きな上振れが期待しにくい中、財政投融資を除く財源には、建設国債のほか、低金利で生じることが見込まれる国債の利払い費の減少分などを充てる方向だ。
出典:経済対策、10兆円超 = 建設国債発行を検討 = 安倍首相が月内策定を指示:時事ドットコム
としています。
「アベノミクス」として進めてきた経済対策に、若年層や子育て世帯への支援などを盛り込んだ今回の経済対策は、予算規模は総額で10兆円程度と言われています。これは2008年の世界金融危機に対応するため麻生政権時代に編成された経済対策の約25兆円に次ぐ規模です。
経済対策とカードローンの申し込み・借り入れへの影響
この大規模な経済対策は、カードローンの申し込み・借り入れにどのように影響すると考えられるでしょうか。
経済対策の中でも注目したいのが、「地方経済の活性化や「1億総活躍社会」の実現加速、中小企業・小規模事業者や海外進出企業の資金繰り支援」などです。
本来であれば銀行や地方銀行、信用金庫が担うべきこれらの業務を政府がおこなうと民業圧迫にもつながりかねません。今回の経済対策が既にマイナス金利政策の影響で収益悪化が心配される銀行や信用金庫の業績を更に悪化させれば、個人向け融資の強化が心配されます。
おわりに
日本経済から見ると今回の参議院選挙の結果はアベノミクスに一定の信任が与えられたことで今後の景気回復が期待されます。
しかしカードローンの申し込み・借り入れから見ると、今後の経済対策の内容次第では何らかの悪影響が生じる可能性は否定できません。
カードローンの申し込み・借り入れをするときには、その動向に注意を払うようにしましょう。