知っておきたいカードローンの遅延損害金と法律の関係_アイキャッチ

知っておきたいカードローンの遅延損害金に関係する法律

知っておきたいカードローンの遅延損害金と法律の関係_アイキャッチ

カードローンの返済が遅れたときに発生するペナルティーが、「遅延損害金」です。
ほとんどのカードローンでは利率20%である遅延損害金ですが、実は法律に大きく影響されて決定されています。
今回は、遅延損害金の概要と気をつけたいポイント、遅延損害金の利率を左右する法律を見てみましょう。

返済が遅れたときのペナルティー「遅延損害金」

そもそも、遅延損害金とはどのような仕組みなのでしょうか。遅延損害金の目的と仕組みについて見てみましょう。

遅延損害金とは、返済にトラブルが生じたときのペナルティーとして本来の返済とは別に設定されている支払いのことです。
カードローン会社によって延滞利息や遅延利息のように呼び名が異なることもありますが、基本的な役割には変わりありません。

返済日の翌日から日割りで発生する

遅延損害金の発生日数は返済日の翌日を起算日として一定の計算式に基づいて日割りでおこなわれ、実際に返済された日までを発生日数として計算します。

返済が遅れるときには事前に連絡を入れる

遅延損害金は日割りで計算されるため、返済に期間が長引くほど発生する金額も大きくなります。

返済日を過ぎても返済できないことが判明すれば、その時点で契約をしているカードローン会社に連絡を入れて、返済が遅れることを伝えましょう。
期日を過ぎても返済がおこなわれないと、カードローン会社から返済状況について聞かれますが、このときに伝えるのと事前に伝えるのでは、その後の扱いが大きく変わるとされています。
返済日を過ぎるときには数日程度でも連絡を入れるようにしましょう。

遅延損害金と個人情報の関係

ごく短期の延滞であれば、遅延損害金は発生するものの「初期延滞」としてあつかわれ、カードローン会社からの連絡も返済状況を確かめる柔らかい問い合わせる内容です。

しかし日常的に延滞や一定期間を超える「長期延滞」など、悪質さが目立つようになると、給与の差し押さえをはじめとする法的な手続きが開始されます。
法的な手続きと合わせて指定信用情報機関に登録される個人信用情報には、延滞が発生したという「返済事故情報」の登録がおこなわれます。
返済事故情報が登録されると抹消される一定期間が経過するまで、新規の個人向け融資の借り入れが受けられないなどの実害が生じます。

遅延損害金と関係する法律

このように遅延損害金は発動されると金銭面をはじめとしてさまざまなデメリットが生じますが、この仕組みを裏付けしている法律にはどのようなものがあるのでしょうか。

遅延損害金と出資法

出資法は貸金業者を規制することを目的とした法律で、正式名称は「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」です。
出資法の上限金利を超える金利を請求すると刑事罰の対象となり、「5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金」に処されます。
かつて出資法は最大29.2%の利率が認められていたため、上限20%の利息制限法との間に「グレーゾーン金利」と呼ばれる不一致が発生していましたが、法改正により消滅しました。

遅延損害金と利息制限法

利息制限法とは、お金を貸し借りするときの利息の限度を定めた法律であり、契約を交わしてお金の貸し借りをするときには、どのような形態であっても利息制限法の対象となります。
利息制限法の定める上限金利は元金に対してそれぞれ、

  • 10万円未満…年20%まで
  • 10~100万円未満…年18%まで
  • 100万円以上…年15%まで

に設定されています。
遅延損害金も利息制限法の対象であり、最大30%近い利息が発生することがある遅延損害金も、上限は20%に設定されています。

出資法と利息制限法の改正とグレーゾーン金利の関係

グレーゾーン金利とは、平成22年6月17日以前において、利息制限法の上限金利を超える無効な金利であるにもかかわらず、出資法の上限金利未満であることから罰せられなかった高金利のことをいいます。
利息制限法と出資法の上限金利の不一致から生じたグレーゾーン金利ですが、2006年(平成18年)年の最高裁判決により不適切との判決が下されます。
この判決ののち、社会的な反響も大きかったことから急速に法改正が進められ、2010年(平成22年)までに不一致の解消がおこなわれました。
遅延損害金も利息制限法の対象であり、最大30%近い利息が発生することがある遅延損害金も、上限は20%に設定されています。

おわりに

このように、かつてはペナルティーとして多くの利率を掛けられた遅延損害金は、グレーゾーン金利問題をきっかけとして最大20%の上限が設定されました。
かつてほどの金銭的負担はなくなった遅延損害金ですが、日割りで発生することや返済事故情報に登録されることなど、金銭面以外でのペナルティーは依然として大きいものがあります。
借り入れた資金は、できるだけ速やかに返済するのがもっとも賢明と言えるでしょう。

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