
お盆休みも終わり、2016年夏のボーナスの内容とその使いみちに関する各種アンケートも出そろってきました。
3年目にして息切れが目立つようになったアベノミクスの恩恵は、2016年夏のボーナスにあったのでしょうか。
今回はボーナスに関するアンケート調査の結果と、カードローンへの影響について見てみましょう。
調査主体のよって異なるアンケート内容
ボーナスに関するアンケート調査はさまざまな統計やウェブサイトがおこなっていますが、その調査項目はバラバラな内容です。
今回は比較的調査項目が重複しているマイナビと価格コムのアンケート調査を引用して見てみましょう。
マイナビによるアンケート調査の内容と結果
マイナビのアンケート調査は7月15日から22日にかけて、2016年夏に賞与を給付された25歳と30歳、35歳の転職意向のある会社員480名を対象としてインターネット調査としておこなわれ、8月23日に「2016年夏の賞与に関する実態調査」として発表されました。※参考
アンケート項目としては、「2016年夏のボーナス(賞与)額」と「前年と比較した夏の賞与額」、年齢別と業種別に見たときの増減となります。
「2016年夏の賞与額」を金額別に見てみると、
- 「10万円台」…2.3%
- 「20万円台」…17.7%
- 「30万円台」…19.6%
- 「40万円台」…10.8%
- 「50万円台」…11.5%
となり、中央値は35万円、平均金額は46万円となりました。
「前年と比較した夏の賞与額」では、「前年と代わらない(対前年比プラスマイナス10%)」が46.9%、「前年よりやや増えた(対前年比11~29%増加)」が26.7%、「前年よりやや減った(対前年比11~29%減少)」が12.1%という回答になりました。
「賞与額は増加した」(「前年より大幅に増えた」+「前年よりやや増えた」) と回答した人の年齢別の割合を見ると、最多が25歳(38.8%)、次いで30歳(33.8%)、35歳(22.5%)と続き、業種別では最多が「金融・保険」(41.7%)、次いで「IT・通信・インターネット」「不動産・建設・設備」(どちらも38.3%)、「製造・メーカー」(33.4%)、「サービス・レジャー」(30.0%)となりました。
使いみちについては「預貯金」(59.8%)が最多となり、「旅行・外食・娯楽」(34.4%)と「生活費の補てん」(26.0%)が続き、「商品・サービスの購入」(20.2%)、「ローン返済・保険全般の支払い」(16.5%)と並んでいます。
カカクコムによるアンケート調査の内容と結果
若年転職者層に絞り込んだマイナビと異なり、カカクコムでは20代から60代の男女という労働者層全体にアンケート調査をおこない、より網羅的な内容になっています。※参考
カカクコムのおこなったアンケート調査の内容を見てみましょう。
「2016年夏の賞与額」を金額別に見てみると、
- 10万円未満…5.3%
- 10万円~30万円未満…10.8%
- 30万円~50万円未満…12.5%
- 50万円~70万円未満…10.2%
- 70万円~90万円未満…7.9%
- 90万円~120万円未満…6.6%
- 120万円~150万円未満…2.0%
- 150万円~200万円未満…1.5%
- 200万円以上…1.5%
という結果になっています。
この他に全額カット(3.3%)や支給対象外(38.3%)という回答もあり、全体の6割程度がボーナスを支給されていることがわかります。
「前年と比較した夏の賞与額」では、20代(6.6万円増)を除いて全年齢層で減少傾向にあり、特に50代(1.9万円減)がもっとも大きな減少幅となっています。
「賞与額は増加した」(「前年より大幅に増えた」+「前年よりやや増えた」) と回答した人の年齢別の割合では、20代がわずかに増加傾向にあるものの、その他の年齢層では軒並み減少傾向にあり、特に30代(2.0%減)や50代(2.6%減)、60代(2.0%減)など、基礎給与の高い年齢層が大きく落ち込みました。
ボーナスの使いみちでは、貯金(75.5%)と商品・サービスを購入する(67.6%)が50%を越え、国内旅行・外出をする(44.2%)やローン返済(35.9%)、子供の教育費(31.0%)と続いています。
金額ベースで見ると支出金額は前年比で減少傾向であり、特に大きな出費となる金融商品の購入(29.1%減少)や海外旅行・外出(26.0%減)、金融商品の補てん(28.6%減)など、大きな出費が必要とされる項目への支出は大きく減少しています。
ボーナスの使いみちの傾向とカードローンの使いかた
今年はアベノミクスがはじまってから3回目の夏のボーナスですが、過去2回とは異なり、アベノミクスの失速が明らかになる中での支給であり、支給額や使いみちはこれまでよりも保守的な内容が目立ちます。
しかしレジャーなどで大きな出費でボーナスを当てにしていた人にとっては、今回の支給額の減少は痛いところ。
そこで補てん策として考えたいのがカードローンです。もちろん、借り入れたお金である以上、借り入れ・返済には慎重な計画が必要です。
しかし、利率の低い借入先を選んだり繰り上げ返済などを駆使することで、最終的な金銭的負担は小さくすることも可能です。
安定した収入があるのであれば、カードローンもお金を借りる有力な選択肢といえるでしょう。
おわりに
アベノミクス3年目の2016年のボーナスは前年比で減少しただけではなく、その使いみちも保守的なものとなりました。
臨時収入であるとは言え、ボーナスの減少が家計に大きな負担を及ぼすのであれば、カードローンも選択肢に含めることも考えるべきかもしれません。