
消費者金融・銀行を問わず、カードローンであれば素早い審査と融資への対応が一般化しています。
審査の迅速化の裏には機械的に振り分け・審査をおこなう「スコアリングシステム」の存在があります。
今回は、このスコアリングシステムとはどのようなものなのかを見てみましょう。
覚えておきたいカードローン審査の流れ
カードローンの審査は通常、スコアリングシステムに基づいておこなわれる「仮審査」で予備的な審査をおこない、在籍確認を経てより厳密な「本審査」をおこなう2段階制です。
本審査では仮審査での項目に加えて、指定信用情報機関が収集する個人信用情報も取り寄せ、より厳密な審査をおこない、申込者が融資対象にふさわしいかを判断します。
スコアリングシステムによる審査…「仮審査」
仮審査では申込者から提出された申込書類の氏名・住所・年齢などの「個人情報」と、勤務先・雇用形態・年収などの「属性情報」の2つの情報に基づいて審査をおこない、大筋での融資の可否を判断します。
従来、仮審査も本審査と同様に担当者の手によっておこなわれていましたが、審査の迅速化のためにコンピューターによる「スコアリングシステム」が導入されたことで、即日審査・即日融資を実現しました。
申込者が在籍しているかを確認する「在籍確認」
仮審査と本審査の間には、申込者が属性情報の通りに働いているかを電話で確認する「在籍確認」があります。
一部カードローンではなくなりつつある在籍確認ですが、属性情報を裏付けるものであり、現在でも大部分のカードローンでは従来通りにおこなわれています。
最終的な貸し付けの可否を決定する「本審査」
融資をおこなうか最終的に決定するのが、「本審査」です。
本審査では仮審査の結果を基に、信用情報機関に申込者の個人信用情報を照会して過去にトラブルがなかったかを確認して、融資をおこなうかを最終判断します。
個人信用情報では現在の借り入れ状況や一回期間の過去の借り入れ・返済状況、付帯事項などが確認できます。
仮審査が優良で信用情報に問題が無ければ本審査の通過となり、融資枠が設定と借り入れへの対応がはじまります。
審査時間を劇的に短くした「スコアリングシステム」
仮審査の段階で出てきた「スコアリングシステム」は、申し込み内容によって点数を加算、属性に振り分け・チェックする仕組みです。
カードローンごとに加算される点数や振り分けられる属性は異なっていますが、基準を満たしているか見られる点では同じであり、カードローンの審査にクリアできる可能性もアップします。
スコアリングの審査基準は企業秘密であり公開されていませんが、過去の膨大なデータベースを参照して、優良顧客と不良顧客の振り分けをおこなっているといわれています。
スコアリングによって振り分けられた属性で返済トラブルの履歴を持つ人が多ければ、そのクラスの評価は低く、融資枠が少額の設定になったり、融資そのものを受けられない可能性が出てきます。
反対に高ランクのクラスに入っていれば、安定的な借り入れや確実な返済の人が多いため、初回申し込みでも比較的大きな融資枠の設定が期待できます。
スコアリングの対象となる「属性情報」と考えかた
スコアリングの対象となる情報はさまざまなものがありますが、中でも重視されるのが職業などの「属性情報」です。
スコアリングの属性情報の基本的な考え方は、「将来にわたって安定した収入の可能性の高い人ほど高いポイントが設定されている」ということです。
安定した雇用があるサラリーマンのポイントがもっとも高く、不安定なフリーターほど低いポイントになると言われています。
同じサラリーマンでも大企業に勤めているほどポイントが高く、中小企業や零細企業では低いポイントとされているようです。
勤続年数が短いと評価は低い?
勤務先と合わせて審査のときに注目される属性情報の一つに、勤続年数があげられます。
どれだけ有名な大企業に勤めていても、新入社員や転職直後の勤続年数が短い時期には安定した収入が期待できないと評価され、ポイントは低くなります。
勤続年数が短いということは、転職で職を転々としている可能性が高く、転職が続くということは何らかのきっかけで無職になる可能性は低くないため、低いポイントが設定されているのです。
仮に転職を検討していれば転職前にカードローンの申し込みをすることで、余裕のある融資枠が設定できる可能性は高くなります。
もし既に転職をしてしまったのであれば、半年から1年程度の勤続実績の出来たところで申し込みをすることで、余裕のある融資枠の設定が期待できます。
おわりに
このように、属性情報を参考に審査をおこなうスコアリングシステムの導入により、カードローンの申し込み・借り入れは迅速化が進んでいます。
しかしその恩恵を受けるためには、虚偽のない申し込み情報の記入が求められるなど、基本的なルールを守って申し込みをする必要があるのは、言うまでもありません。